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認知症ケア

認知症と認知症ケアとは?

人が社会の中で生活していくためには自分たちをとりまく生活環境からの刺激を受け止め、さらに反応を返すと言った「相互理解」をおこなっていくことが前提になります。そのためには“脳”をフル回転する必要がありますが、その脳に障害が起きると、生活すること自体も大変になります。そのような病気に認知症があり、圧倒的に高齢者にそのリスクが多いと言われています。

このコラムでは、なかなか分かりづらい、認知症ケアについて少しでも知っていただくことを目的としています。

65歳以上で約6人に1人がかかる、身近な病気

最新の調査では、認知症は日本人の65歳以上で約15%の人がかかっていると推計され、さらに認知症に進む可能性の高い認知症予備軍である、「軽度認知症」の人が380万人もいるといわれています。また、認知症は年齢を重ねるとともに増加傾向があることがわかっています。80歳以上になると約40%以上の人にその可能性があるといわれています。いわゆる「認知症700万人時代の到来」といわれ、認知症は誰しもがなりうる、身近な病気となっています。では認知症になると、どんな症状が出てくるのでしょうか。

認知症の症状

認知症の中核症状としては、記憶障害・見当識障害・認知機能障害・実行機能障害等ありますが、それに伴ってケアの現場で、関係者皆さんが主にご苦労されている症状として、国際老年精神医学会では「行動障害」と「心理症状」(BPSD)の2つに大きくわけ、そのケアの在り方を提唱しています。「行動障害」と「心理症状」には主に下記のようなものがあげられます。

行動障害

  1. 焦燥・不穏や徘徊など
  2. 攻撃性
  3. 食欲・摂食障害
  4. サーカディアンリズム(体内リズム)の乱れによる睡眠障害
  5. 社会的に不適切な行動

心理症状

  1. うつ症状などの感情の障害
  2. アパシー(意欲の低下)
  3. 妄想と誤認定症候群
  4. 幻覚

など

認知症ケアとは?

認知症には様々なタイプのものがありますが、初期の段階から電話・買い物・料理など今まで「できていたこと」が徐々に「できなくなる」という経験を重ねて行き、毎日を付き合う介護者はいら立ちをため込みがちになります。なかなか対処は難しいといわれていますが、介護者はまず「認知症患者の方をよく観察し、どこで失敗しているかを理解すること」が重要となってきます。

例えば今までできていた料理ができなくなった場合、実は全く料理ができなくなったからではなく、「一連の流れの中で、一部分だけが難しくなったから」ということが多々あります。

具体例として、「みそ汁を作る」ということに関して、下記は一連の流れを分解して表したものですが、今までは自然と流れでできていたものが、認知症になると「何のためにお湯を沸かしたのを忘れてしまう」「みそを「みそ」として認識できない」など一部分だけ難しくなり、料理が完成しないということがあります。

例)みそ汁を作るという行動

※例えば①〜③、⑤はできても、④ができないことで料理が完成しない

実は認知症になっても身体で覚えた記憶は忘れにくい

認知症の症状として、食事・排泄・入浴等生活に関わる基本的なことが次第に困難になっていきますが、実は身体で覚えた記憶(ピアノを弾く、自転車に乗る、包丁で切る等)は「緊張せず」、「安心して」、「ゆっくり」行うことさえできれば、忘れずに今まで通りできること場合が多いです。

ということは、家族・友人・近隣の人々・医療・看護・介護等生活支援者として認知症の人を正しく理解し、接することができるができれば、認知症の方が出来ることは大きく変わってくる事になります。先程の例で言えば、介護者が「みそ汁を作るためにお湯を沸かしていることを優しく声がけし、思い出してもらう」といった「止まってしまっている部分を正しくサポートする」ことができれば、認知症の人が自分の障害を「あまり気にせず、暮らせる」、すなわち生活リズムを遂行できることができることに繋がります。

まず認知症の方を「よく観察すること」を意識してほしい

認知症ケアの具体例としては様々な方法があげられますが、介護者の方はまず「認知症の方をよく観察すること」「どこで失敗し、どこをサポートすればいいのかを考えること」から始めてほしいと思っています。また、認知症の方が何か特定の行動を嫌がることも多くありますが(例えば入浴拒否など)、それも同様に「よく観察し、何を嫌がっているのかを理解すること」で、その原因を無くすことができれば問題なく行ってくれる場合も少なくありません。(入浴拒否の場合は入浴自体が嫌なのではなく、他の人に裸を見られることへの拒否感、恥ずかしさが原因のこともあります。ただ、それをうまく伝えられず、介護者への暴言、暴力行為などにつながってしまうのです)

認知症の人の居場所~認知症を正しく理解する重要性~

認知症の人のおおよその人数は前述のとおりですが、実際に認知症に対する何らかのサービスを受けている方々は平成22年の調査で、およそ280万人です。介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)やグループホーム等の施設に約120万人、自宅で生活されている方々が120万人といわれています。

色々な意識調査でも分かっていることですが、お年寄りの大部分は、「住み慣れた地域で生活を続けたい」と願っています。しかし、その実現には様々な課題があり、家族の負担が大きい場合もあります。多くの家族は認知症の症状の対処方法に困り、疲れ果て病院等を受診するケースが多く見かけられますが、患者本人の心理的や生活環境も症状の度合いに大きく関わっていると考えられており、なるべく早い段階から正しいケアをすることが家族と本人の生活の質(QOL)を上げることにつながります。

私たち明正会の取り組み

私たち明正会は、訪問診療を行うクリニックやグループホーム(認知症対応型共同生活介護)、ショートステイの施設を運営しており、多くの認知症患者さんと接する機会があります。また内部に「認知症ケア研究所」を持つことで、認知症ケアへの取り組みを長年行っています。

残念ながら認知症は進行することを止めることは困難です。しかし、住み慣れた地域で暮らすことを訪問診療や施設をうまく利用していただくことで、サポートしたいと思っています。

例えば生活リズムを訪問診療の医師・看護師が常に状況を把握して、生活支援の統一化を図れることは、認知症の人にとって、一定の安心を生み出し可能な限り地域での生活・暮らしに大いに役に立つのです。また体調の管理も重要で、急変や場合によっては色々な症状を併発することもありますが、服薬管理などを通してなるべく普段通りに過ごしてもらうことも心がけています。

施設にも認知症ケアへの理解が深いスタッフが多くいますので、ご家族と一丸となって支援を行っていくことをいつも心がけています。

人は、認知症であろうとなかろうと、「人の役に立ちたい」、「人に認めてほしい」、「自由に暮らしたい」という欲求は当然あります。これらのことを認知症ケアを通して、明正会全体としてサポートしていければと思っております。

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